はじめに
友達もいない、知り合いいない、土地勘もない。知らない土地に住むのは楽しみでもありますが、不安も募ります。
私は石川県出身。国家公務員として東京で就職し、そこで出会った福島県出身の人と結婚。夫のUターンを機に退職し、福島県へ転入しました。一番初めに住んだのは南会津町で、その後、夫の仕事の関係で県内転勤をこれまで3回経験しています。
転入したばかりの私の状況を表す言葉は「孤独」と「焦り」。
誰一人として知り合いがおらず孤独そのものでした。
ペーパードライバーだった私は一人で遠出する勇気もなく、毎日家とスーパーの往復。話す相手は夫だけという日々が続きました。
また、転勤を控えた状況では定職に就くことができず、働きたい、何かをやりたい、という思いを実現することができず、これから福島でどうやって生きていけばいいんだろうと、とにかく焦っていました。
しかし、あるご夫婦との出会いをきっかけに、地域の方との交流の機会を作っていただき、夫を介さない自分の知り合いができ、さらには居場所ができたことで、私にとって南会津は特別な場所となりました。南会津を離れて10年以上経った今でも交流は続いています。
近年、福島県は移住・転入者が増えていると報道からも聞くようになりました。そして県が移住者として把握している以上の人数の方が福島県に転入しています。
その中には、あの頃の私のように孤独や焦りに悩んでいる方や、地域の事をもっと知りたいと思っている方がいます。
私が南会津で出会ったご夫婦のような地域との懸け橋となるサポートがあれば、福島県を好きになって、これまで以上に楽しく生活できる人が増えるはずです。
また、特に女性には、高いスキルや経歴、働きたいという意欲があるにも関わらず、転入を機に一旦キャリアをリセットしたことや子育てなどの理由で、福島で働くことを諦めている方もいます。
人口減少、労働力不足、女性活躍が謳われる地方社会で、このような女性達が活躍できる多様な働き方の選択肢を増やすことが必要です。
福島で地域や社会と繋がり、自分らしくいきいきと生活する。そんな人が増えれば間違いなく福島は元気になります。
転入した人には「福島に来てよかった」、地域の人からは「あの人が福島に来てくれてよかった」という言葉がたくさんに聞こえる福島になること願い、今はまだ眠っている転入者の力を引き出し、地域とwin-winの関係を構築していきます。
2024年3月
代表理事 藤本菜月
tentenの名前に込めた想い
福島に転入したばかりのあの頃の私にとって「転(ten)入」「転(ten)勤」というワードはネガティブワードでした。それらによって感じた孤独・不安・焦り。しかし、その辛い時間を過ごし、経験したからこそ同じ境遇の女性たちの課題が見えてきました。
福島に転入して10年が経過し、地域とのつながりも徐々にできてきた今、今の私ならそういった女性達が暮らしやすい福島を作れるのではないかとの思いを持って始めた活動です。
活動を始めて、たくさんの女性達の笑顔を見ることができ、またそういった女性達のパワーも感じることができたことで、私にとって「転入」「転勤」はポジティブワードに変わりました。
『災い「転(ten)」じて福となす』。そんな活動に育てていきたいです。
ビジョン・ミッション
団体概要
名称 | 一般社団法人 tenten |
所在地 | 〒960-8041 福島県福島市大町2-18 石屋小路ビル2F |
代表理事 | 藤本菜月 |
TEL | 024-529-5895 |
info.tenten.fukushima@gmail.com | |
WEBサイト | https://tentent.info |
関連WEBサイト | https://tenten-f.info/ http://belfonte.info/ |
設立 | 2020年10月8日 |
代表プロフィール
藤本菜月
1980年石川県小松市生まれ。名古屋大学農学部の果樹園芸学ゼミで桃の葉について研究。
卒業後、農林水産省で4年9か月勤務。農業改良資金、経営構造改善事業、農地法関連業務、国際協力業務等に携わる。
結婚を機に退職し、福島県へ移住。福島県職員の夫についてこれまで県内4カ所(南会津町、喜多方市、須賀川市、福島市)で生活する転勤族妻であり2児の母親。趣味は書道、刻字。
藤本の綴るnoteはこちら
団体概要冊子
tentenサンプルストーリー集vol.1
~これまでに出会った転入女性たちの変化を実話を元にサンプルストーリーにまとめました~